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2006年6月前半分 ■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった 6月13日号 Small Times誌、マイクロ・ナノテクノロジー分野の2006年大学番付を発表 昨年初めて、マイクロ・ナノテクノロジー分野の大学番付を導入したSmall Times誌が、2006年5・6月号のSmall Times Magazineで、2006年の大学番付を発表した。このアンケート調査に磨きをかけるため、Small Times誌では2005年末に、大学構内にあるマイクロ・ナノテクノロジーセンターの所長から成る諮問委員会を招集。諮問委員会の支援を受けて、アンケート調査の回答者に自らのセンターやプログラムを説明する機会を与えることにしたという。今年は1月初旬に電子メールで100以上の大学にアンケート調査を送付、50大学から回答を得ている。「研究」「教育のオポチュニティー」「施設」「産業界へのアウトリーチ」「商用化」という5つの主要カテゴリー毎に選ばれたトップ10大学は下記の通り。
エタノール需要の増加で、トウモロコシ価格が昨年の倍に上昇 シカゴ商品取引所(Chicago Board of Trade)で、トウモロコシの先物価格が1ブッシェルあたり3ドルの大台に達した。これは昨秋の価格の倍以上であり、ここ10年間においても最高水準に相当する。 トウモロコシ価格上昇は主として需要供給の関係に起因する。ProExporter Network(カンザス州の商品リサーチ機関)によると、米国の農家が今年約107億ブッシェルのトウモロコシを栽培見込みであるのに対し、消費は115億ブッシェルに到達する可能性があるという。エタノール生産の為のトウモロコシ需要が価格上昇の一因であることも否定できない。米国農務省では、国内のエタノール生産施設が消費するトウモロコシは2010年までに年間26億ブッシェル …2005年消費量より12億ブッシェル多い… まで拡大すると推定している。 トウモロコシの価格は世界市場で一時的活況(boom and bust)を何度となく経験している。米国では、1エーカー当たりのトウモロコシ生産量が増加しているにも拘わらず、食料や飼料としてのトウモロコシ需要は過去15年間ほぼ横這い状態にあるため、エタノールという新市場がなければトウモロコシ価格の低下は避けられない。ウィスコシン州では、エタノール生産用への需要がトウモロコシ価格を1ブッシェルあたり約15セント引き上げていると推定されている。 他諸国では人々が飢餓に苦しんでいる時に燃料用に穀物を栽培するのは道徳的に誤っているという批判があるが、ウィスコシン州トウモロコシ栽培者協会(Wisconsin Corn Growers Association)のBob Oleson専務理事はこれに対し、農民はトウモロコシのエタノール流用により食料供給を締め付けているわけではなく、トウモロコシを更に増産することを望んでいるのだと反論している。とはいえ、今年はエタノール生産に消費される国産トウモロコシの量が、海外への輸出量を上回る見通しである。(Milwaukee Journal Sentinel, June 11, 2006; Greenwire, June 12, 2006)
6月12日号 GE Energy社、ハワイ島の風力発電プロジェクトにタービンを供給 ハワイ州のハワイ島で、風力電力所を地域の電力網に統合する問題に取り組む実験的な風力発電プロジェクトが実施されることになった。ハワイ島の最南端で行われるパキニヌイ風力プロジェクト(Pakini Nui Wind Project)トには、GE Energy社製1.5メガワット(MW)の風力タービン14基が使用される予定である。 GE Energy社のVictor Abate再生可能エネルギー担当副社長によると、パキニヌイの21 MW プロジェクトがハワイ島の300 MW未満という発電総容量に占める割合は大きく、電力系統全体の信頼性に影響を及ぼすことになるため、このプロジェクトではGEの電力系統に優しい(grid-friendly)革新技術を幾つか取り入れる予定であるという。同プロジェクトで使用される電力系統に優しい技術は以下の通り:
(General Electric News Release, June 5, 2006) カーネギーメロン大学の研究チーム、二酸化チタンのナノ粒子が脳細胞の毒性反応を誘発すると報告 ナノ粒子が環境や健康にもたらすリスクに対する懸念が高まっているなか、カーネギーメロン大学のGreg Lowry環境工学博士を中心とする研究チームが、二酸化チタン(titanium dioxide = TiO2)のナノ粒子は脳の小グリア(microglia)細胞に酸化ストレス(oxidative stress)を惹起する可能性があるとする研究論文を発表した。 培養した脳の小グリア細胞を、濃度2.5ppm〜120ppmのTiO2ナノ粒子に晒したところ、小グリア細胞はこの異物質を除去するため、直ちに活性酸素種(reactive oxygen species)の放出を始めたばかりか、2時間にわたって活性酸素種を放出したという。これは、TiO2ナノ粒子が小グリア細胞の「酸化的破壊(oxidative burst)」を誘発するだけでなく、ミトコンドリアのエネルギー生成にも害を与えることを示唆する。 TiO2ナノ粒子はサンスクリーンや化粧品等の消費者製品に広く使用されているが、これがもたらし得る神経毒性を調査したのはカーネギーメロン大学のこの研究が始めてとなる。同研究チームの論文 "Titanium Dioxide Produced Reactive Oxygen Species in Immortalized Brain Microglia: Implications for Nanoparticle Neurotoxicity"はEnvironmental Science & Technology's Research ASAPのウェブサイトに発表されている。(Greenwire, June 9, 2006; Environ. Sci. Technol., ASAP Article Web Release, June 7, 2006) ホワイトハウス、アジア太平洋パートナーシップ予算の復活を議会に要請 クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(Asia-Pacific Partnership on Clean Development and Climate = APP)の予算として5,200万ドルを要求しているブッシュ政権は、下院がこの予算要求額を次々に拒絶していることをうけ、APP資金を獲得するために議会に圧力をかけている。 下院本会議は既に、(1)「2007年度内務省・環境保護庁歳出法案(下院第5386号議案)」に盛り込まれていたAPP予算500万ドル(EPA予算);(2)「2007年度エネルギー・水資源開発歳出法案(下院第5427号議案)」に盛り込まれていた1,500万ドル(エネルギー省)を撤廃している。下院本会議は6月9日に「2007年度対外活動歳出法案(下院第5522号議案)」を審議するが、下院歳出委員会の可決した同法案からは、APP予算4,600万ドル …国務省の2,600万ドル、および、アジア開発銀行(ADB)への拠出分2,375万ドル(注:1) の内の2,000万ドル… が削除されている。 ホワイトハウスは6月8日、「2007年度対外活動歳出法案」の下院本会議審議に先立って、施政方針声明(Statement of Administrative Policy)を発表。同声明では、議会がAPPを「2005年エネルギー政策法」で認可していることを指摘しているほか、下院に同歳出法案の本会議審議でAPP予算4,600万ドルを復活させるよう要求しているが、下院がホワイトハウスの要請を聞き入れて同法案を修正する見込みはない(注:2)。しかしながら、下院共和党スタッフによると、上院との両院協議会交渉で大統領の要望するAPP予算が認められる可能性はあるという。大統領のAPP要求額5,200万ドルの内の、残りの600万ドルを盛り込んだ「2007年科学・国務・司法・商務・関連省庁歳出法案」は6月12日の週に下院歳出委員会でマークアップされる予定である。(Environment and Energy Daily, June 9, 2006) 1:APP支援に使われるADB拠出金は、大統領が要求した5,200万ドルとは別枠。 2:「2007年度対外活動歳出法案」はAPP予算を含まないまま、6月9日に373対34で可決された。
6月8日号 ハーバード大学、ヒトのクローン胚から幹細胞をつくるプロジェクトを発表 ハーバード大学は6月6日、民間からの数百万ドルの資金をもとに複数機関が協力して、ヒトのクローン胚から幹細胞をつくるという世界初のプログラムに取り組むことを発表した。ハーバード大学関連医療研究センター数機関、ニューヨーク幹細胞財団、および、コロンビア大学が参加するこの合同プログラムは、米国の超一流研究機関が幹細胞研究反対を声高に唱える保守派運動に対抗する姿勢を示すもので、米国内の幹細胞研究論争が新たな局面を迎えたことを意味する。 このプロセスは、まだ理論にすぎず、賛否の意見が大きく分かれているが、その内容は、ヒトの体細胞にDNAを取り除いたヒト卵子を融合し、新しい卵細胞をペトリ皿で数日間成長させ、必要な胚芽幹細胞を作った上で、この胚を実験室で成長させ、操作して、異なるヒト組織を形成させるというものである。 2人のチーム・リーダーの1人、Douglas Melton博士は、初めての記者会談で、この作業は厳格な倫理的ガイドラインに沿って実施されると述べた。博士によれば、ハーバードは行動規範を定めるために2年をかけて大規模な倫理審査を8回行ったという。彼等が直面した1つの倫理的問題は、卵子を寄付する女性にどのように報酬を行うかという問題である。結局、研究者等は、卵子取得が大幅に難しくなることを承知の上で、卵子寄付のプロセスに直接起因する経費だけを償還し、卵子自体には報酬を支払わないことに決定したという。(Boston Globe, June 7, 2006; Washington Post, June 7, 2006) Bunning上院議員とObama上院議員、石炭液化油にインセンティブを提供する法案を提出 Barack Obama上院議員(民主党、イリノイ州)とJim Bunning上院議員(共和党、ケンタッキー州)が5月26日に、石炭液化油(coal-to-liquids = CTL)生産インフラ整備の推進を目的とする法案を提案した。「2006年石炭液化油推進法案(Coal-to-Liquid Promotion Act of 2006:上院第3325号議案)」には、以下のようなインセンティブが盛り込まれている:
(Platts Coal Trader, June 7, 2006)
6月6日号 全米水素協会、水素燃料ステーションに関するインターアクティブなデータベースを立ち上げ 全米水素協会(National Hydrogen Association = NHA)が5月24日に、オンラインの水素燃料補給ステーション・データベース(Hydrogen Fueling Station Database)を立ち上げた。同データベースは、米国内の水素燃料補給ステーションについて、(1)ステーションの地図;(2)操業中/計画中;(3)水素充填圧力;(4)水素ポンプの数;(5)キャパシティ;(6)水素製造方法やフィードストック等の情報を掲載するもので、現在のところ、全米の水素燃料ステーションに関する最も包括的なデータであるという。 同データベースに記載された米国内の水素ステーションは53ヶ所。その内の28ヶ所はカリフォルニア州で、8ヶ所がミシガン州となっている。NHAは同データベースの立ち上げ時に、カナダの水素ステーションに関するデータを近い将来取り込んでいく予定であるとしていたが、6月6日時点のデータベースには既にブリティッシュ・コロンビア州の6ヶ所の水素ステーションの情報が追加されている。(National Hydrogen Association Announcement, May 24, 2006; Canadian Hydrogen Association News Release, June 6, 2006) カナダのTrillium Power Energy社、五大湖洋上風力プロジェクトを発表 カナダのトロント市に本拠を置くTrillium Power Energy社は先週、五大湖付近に710メガワットの洋上風力発電施設を建設する計画を発表した。同プロジェクトはオンタリオ州プリンス・エドワード郡の沖合い15キロの浅水域に最高142基の風力タービンを建設するというもので、これが実現すれば、北米第1号の洋上風力プロジェクトとなるばかりか、アメリカ大陸最大の風力プロジェクトとなる可能性がある。 同社のJohn Kourtoff社長によると、現在オンタリオ州で建設または計画の進んでいる他の風力発電プロジェクトは丘の上や海岸線に立地するものであって、この五大湖洋上風力施設はオンタリオ州にとっても極めて稀なプロジェクトであるという。洋上の風力発電プロジェクトは米国マサチューセッツ州沖でも計画されているものの、Cape Windプロジェクトの方は地元住民の反対で妨害され、議会立法者の反対にも直面している。これとは対照的に、オンタリオ州の洋上風力プロジェクトが可能になった理由として、Kourtoff社長は、最適な風条件;十分な送電網;経験豊かな技術・開発チームという要素の他に、(i)長期買電契約によってオンタリオ州の再生可能エネルギー開発を奨励するという同州の政策;(ii)Crown Landを風力発電開発用地に登録した現州政府の政策をあげている。20万戸以上の家庭の電力ニーズを満たすに十分なクリーン電力を発電する同プロジェクトは、オンタリオ州の大気質改善に役立つばかりでなく、京都議定書の定める温室効果ガス排出削減目標の達成に向けたカナダの努力を助長することにもなると期待されている。(RenewableEnergyAccess.com, June 5, 2006) 環境保護団体、ナノテク規制の草稿を環境保護庁に要請 環境保護団体の環境防衛(Environmental Defense)が5月22日、環境保護庁(EPA)には有毒物質規制法(Toxic Substances Control Act = TSCA)の下でナノ材料を規制する権限がないとする米国化学工業協会(American Chemistry Council)の主張に異議を唱え、人造ナノ材料(engineered nanomaterials)はTSCAの新化学物質に該当すると主張する書簡をEPAの総合委員会(general counsel)に送付した。 環境防衛と米国化学工業協会は、EPAが昨年主催したナノテクノロジー公開会合において、ナノテクノロジーへの対応策策定に関する一般的原則を概説した共同声明を発表していたが、今年3月に米国化学工業協会のナノテク・パネルが、TSCAの「化学物質」定義は化学物質の構造に関してEPAが要求できる情報を制限していると主張する書類を送付したことで論争が起こり、両者の共同努力は挫折したかのようである。 環境防衛はEPAの総合委員会へ宛てた書簡で、TSCAの下で人造ナノ材料を「新」物質に指定することはTSCAの文言およびEPAの規定と慣行に完璧に一致するものであると主張している。また、EPAは「化学物質」を定義づけるために、化学構造以上の多様な要素を検討するのが当たり前であり、ナノ特有の要素を無視するということは、人造ナノ材料の真のナノ性(nano-ness)を無視することになると指摘している。 EPAの総合委員会は今年後半に、TSCAの下でEPAがナノ材料を規制する権限、および、事前通告を必要とする材料に関して指針を発表するものと見られている。(Inside EPA, June 2, 2006)
6月5日号 ローレンス・バークレー国研、州政府クリーンエネルギー基金の再生可能プロジェクト支援状況を報告 ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory = LBNL)が、州政府の再生可能エネルギー導入支援に関する報告書 『州政府クリーンエネルギー基金の事業用再生可能エネルギープロジェクト支援の影響(The Impact of State Clean Energy Fund Support for Utility-Scale Renewable Energy Projects)』を発表した。米国では少なくとも14州が再生可能エネルギー技術の開発・商業化推進を目的とした基金を設置し、基金の財源として小売電力料金に少額の追加料金をかしている。その総額は年間5億ドル以上にのぼり、州政府のクリーンエネルギー基金は再生可能エネルギー開発で主要な原動力になっているという。 今回のケース・スタディ報告書は、クリーンエネルギー州政府同盟(Clean Energy States Alliance = CESA)メンバー州(注:1)のクリーンエネルギー基金から財政支援を受けている、太陽光発電を除く、事業規模(1メガワット以上)の新規再生可能エネルギープロジェクトに焦点をあてている。LBNLによる主な分析結果は下記の通り:
(LBNL Case Studies of State Support for Renewable Energy, May 2006) クリーンエア法諮問委員会の大気質管理小委員会、気候変動が大気に及ぼす影響調査をEPAに要請 クリーンエア法諮問委員会(Clean Air Act Advisory Committee = CAAAC)の大気質管理小委員会が先頃、気候変動が大気質に及ぼす影響を評価するよう、環境保護庁(EPA)に勧告することで合意した。同小委員会は5月18〜19日にノースカロライナ州で会合し、勧告を最終化した。この勧告は、CAAAC全体会議で承認されれば、今年の終盤にはEPAに提出されることになる。この小委員会は上述の会合で、以下を含む勧告を作成した:
CAAACの大気質管理小委員会は複数の自動車メーカー役員から強い反対を受けながらも、これらの勧告を作成した。自動車メーカーの役員等は、気候変動研究と二酸化炭素規制はEPAの権限の範囲を超えると論じており、CAAAC 全体の会議中も圧力をかけ続ける予定である。(Inside EPA, June 2, 2006) 1:CESAのメンバー州は、アリゾナ州、カリフォルニア州、コネチカット州、イリノイ州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オハイオ州、オレゴン州、ペンシルバニア州、ロードアイランド州、ワシントン州、および、ウィスコンシン州の14州。
6月1日号 軍や民間企業の関心を引く、石炭由来の液化燃料 原油価格が1バレルあたり70ドル以上という状況に、米国の軍高官は、石炭から作るジェット燃料を含めた代替燃料の研究に力を入れている。特に、米空軍のMichael Aimore次席補佐官によると、米国政府の燃料総消費量の50%以上を消費し、ジェット燃料に年間約45億ドルを費やしている米空軍では、昨年のハリケーンカトリーヌとハリケーンリタがエネルギー市場に大混乱をもたらしてからというもの、石炭由来の液化燃料の研究を重視しているいるという。 米空軍は今年9月に、在来型ジェット燃料に天然ガス由来の合成燃料を混合した燃料(注1)を使用して、B-52長距離爆撃機の試験飛行を実施すべく準備中である。原料が天然ガスであっても石炭であっても、液化燃料を作るプロセスは同じであるため、この試験飛行は軍隊のCTL(coal-to-liquid)プロジェクトにとって極めて重大な一歩であるとみなされている。 在来型航空燃料と石炭由来の合成燃料を半々に混合した準合成燃料は、南アフリカのヨハネスバーグ国際空港で過去7年間使用されているという実績があるほか、CTLを精製する南アフリカのSasol社によると、米国防省と合同で実施した実験で、自社製の合成ジェット燃料がクリーンで熱的にも安定(thermal stability)していることが確認されたという。 国防省では現在、Sasol社が使用するフィッシャー・トロプシュ法を始めとして、石炭を液化燃料に変換する幾つかの方法を探究しているが、こうしたCTL製造に民間企業も関心を示している。ペンシルバニア州ビルバートン市のWMPI Pty社は、くず炭から硫黄含有量ゼロのジェット燃料を生成する米国初の施設建設を計画しており、これにはエネルギー省(DOE)がグラントとして1億ドルを確約している。また、Pioneering Pennsylvania社はゼネラル・エレクトリック社製の石炭ガス化技術を利用したCTL施設をワイオミング州メディスンボウに建設する予定であるほか、1,200億トンという石炭埋蔵量を有するモンタナ州もCTL技術の開発を積極的に探求している。 米国大手航空会社の同業者団体である航空輸送協会(Air Transport Association = ATA)のJohn Heimlich氏によると、ATAでは国防省のCTL燃料プロジェクトを興味深くモニターしてはいるものの、合成燃料が「近い将来」利用可能となるとは予想していないという。(The Wall Street Journal, May 31, 2006) Obama上院議員、石油会社に代替燃料ポンプ設置への投資を義務付ける法案を提出 米国石油会社のトップ5社が2006年第1四半期に282億ドルという収益を記録したことを受け、Barack Obama上院議員(民主党、イリノイ州)は5月23日に、2006年度第1四半期の収益が10億ドルを上回る石油会社に対し、収益の最低1%を投資して米国各地のガソリンスタンドにE-85その他代替燃料用のポンプを設置するよう義務付ける法案を提出した。 米国では現在、E85対応のフレキシブル燃料車が500万台以上走行し、米国の自動車メーカーが更に数十万台のフレキシブル燃料車の生産にコミットしているにも拘わらず、E85を販売しているのは全国約16.5万ヶ所のガソリンスタンドの内の僅か700ヶ所にすぎず、フォード自動車のSue Cischke副社長も「今日の約30倍のE85ポンプが必要」であると発言している。Obama上院議員の「長期的石油利用の削減を目指す将来投資法案(Future Investment to Lessen Long-term Use of Petroleum Act = FILL-UP Act:上院第2984号議案)」が可決されれば、米国各地に新たに7,000以上のE85ポンプが整備されることになると推定されている。また、代替燃料ポンプを設置するガソリンスタンドには、2005年エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)の一環である税額控除(代替燃料ポンプ整備関連コストを最高3万ドルまで相殺する)も適用される。(Senator Barack Obama Press Release, May 23, 2006) 1:試験飛行用の混合燃料は、オクラホマ州トゥルサ市のSyntroleum社が供給する。
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