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2005年3月後半分 ■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった 3月30日号 下院科学委員会、ブッシュ政権予算案に対する「予算案評価報告書」を超党派で共同発表 下院科学委員会の委員達は3月7日、2006年度ブッシュ政権予算案に対する「予算案評価報告書 (Views and Estimates)」を共同で発表した。議会予算法により義務づけられている同報告書は、共和党と民主党が各々、個別に提出するのが通例であるが、ブッシュ大統領の2006年度研究開発(R&D)予算要求は下院科学委員会の党派ラインを超えて深刻な懸念を引き起こしたため、今回は共和党と民主党が異例ともいえる、超党派の「予算案評価報告書」を共同で提出している。同委員会の民主党ランキングメンバーであるBart Gordon下院議員(テネシー州)は、共和党草案の評価報告書が非常に的を射ていたため、ブッシュ政権および予算委員会や歳出委員会に対して、現行の財政状況下であっても大統領提案の科学技術予算以上のことが可能であるという強いメッセージを送るために、共和党に合流したと説明している。下院科学委員会が指摘する、大統領予算案の問題点は下記の通り: 1. ブッシュ政権は1,323億ドルという2006年度R&D予算をこれまでの最高額であると自賛しているが、増額の実態は開発(前年度比2%増)寄りであって、応用研究はほぼ前年度並、基礎研究に及んでは1.2%削減となっている。基礎研究の予算が不十分である。 2. 我が国の物理科学研究の40%を支援する、エネルギー省(DOE)科学部の予算が不十分である。大統領提案は2005年度比3.8%減の34.6億ドル。これは、下院可決の「2003年エネルギー政策法案 (下院第6号議案)」に盛り込まれた46億ドルを25%も下回るほか、今年2月10日に下院科学委員会が可決した「2005年エネルギー研究開発実証商用化法案 (Energy Research, Development, Demonstration, and Commercial Application Act of 2005:下院第610号議案)」の認可額である38億ドルを9%下回っている。 3. 全米科学委員会(National Science Foundation = NSF)への支援も不十分である。ブッシュ政権はNSF予算や省庁間R&D優先事項に関して、下記のように、人を惑わすような発言をしている。:
4. ブッシュ政権は先端技術計画(ATP)の予算を全く要求していない。NISTの研究所予算は増額されるものの、ATP計画の撤廃予算(推定2,000万ドル)さえも提案されていないため、研究所予算でこれを吸収せざるを得なくなる。また、ATP所有ユーザー研究施設の施設使用料からあがる約1,300万ドルの年収も失うことになる。 5. 製造技術普及計画(MEP)予算を現行の1億700万ドルから4,700万ドルに削減するという大統領提案にも、失望の念を禁じえない。 (Manufacturing News, March 23, 2005)
3月28日号 パーデュー大学、太陽電池と燃料電池を動力源とする静止飛行船を開発中 パーデュー大学の研究チームが米空軍研究所の支援を受けて、太陽電池と燃料電池を動力源とする静止飛行船(geostationary airship)を開発するという。国土安全保障やミサイル防衛および天気予報に利用できるこの静止飛行船は、長ければ1年間地上約65,000フィートという高高度にとどまることになるため、電力源として革新的な発電システムが必要となる。 パーデュー大学のShripad Rebankar原子力工学助教授によると、この発電システムには、一般家庭の電力消費量の約10倍にあたる500キロワット発電が想定されているという。静止飛行船に必要な電力は、昼間は太陽電池、夜間は燃料電池で発電されることになるが、宇宙用のこうした燃料電池システムは未だ開発されていない。このため、高高度における燃料電池の性能、および、燃料電池と宇宙船の多様なシステムとの相互作用 …例えば、突風が吹き、飛行船の安定維持のためにモーターが稼働した場合、飛行船の他システムへの電力供給にどのような影響がでるか等… についてのシミュレーション・モデルを開発するほか、強風の際でも飛行船を安定させる空気力学的設計や制御システム、および、この高高度で厳しい紫外線に1年間耐えることの出来る飛行船の外皮材料を開発する予定であるという。 静止飛行船は、赤道上空にしか上げられない静止衛星と違って、世界のどこにでも打ち上げ可能であるほか、地上に近いため、サベイランス(監視)の点では人工衛星よりも優れていると期待されている。(RenewableEnergyAccess.com, March 25, 2005) 共同宇宙物理学研究所、強集束ビームを発生可能な極紫外線レーザー光線を開発 国立標準規格技術研究所(National Institute of Standards and Technology =NIST)とコロラド大学が共同運営する共同宇宙物理学研究所(Joint Institute of Astrophysics Laboratory = JILA)の研究者等が、従来の技術では不可能だった電磁スペクトラム領域に属する強集束光線(tightly focused light)を発生可能な、極紫外線(extreme-ultraviolet = EUV)のレーザーのようなビームを生み出した。 極紫外線の輻射は可視光線より波長が10倍から100倍も短いため、この新発明によって、研究者達はナノスケールの形体を「見」て、それらに極小パターンを刻印することが可能となるやもしれない。このような技術の応用用途としては、顕微鏡による検査、リソグラフィー、ナノテクノロジーといった分野が期待される。この研究は、全米科学財団(NSF) を中心にエネルギー省(DOE)やNIST から総額224万ドル以上のグラントを受けて行われた。(NSF Discovery News, March 14, 2005) 下院指導層、幹細胞研究の規制緩和を本会議採決にかけることに同意 下院の指導層は、2001年にブッシュ大統領が課した、胎性幹細胞研究規制を緩和する法案を、下院本会議の採決にかけることに同意した。Michael Castle下院議員(共和党、デラウェア州)が2月15日にDiana DeGette下院議員(民主党、コロラド州)と共同で再提出した「幹細胞研究推進法案 (Stem Cell Research Enhancement Act:下院第810号議案)」は、不妊治療用の胎芽を報酬なしで寄付した親が細胞の使用方法を十分認識している場合、この胎芽から抽出した新しい幹細胞系の研究に科学者が連邦グラントを使用することを認めるという内容で、今までのところ、183名の共同スポンサーを獲得している。 一方、上院には、下院第810号議案と同内容の上院第471号議案がArlen Specter上院議員(共和党、ペンシルバニア州)とTom Harkin上院議員(民主党、アイオワ州)によって2月28日に提出されており、同法案が上院本会議で採決にかけられれば、その可決に必要な票が存在すると見られている。先ずは、上院共和党院内総務のBill Frist上院議員(テネシー州)から本会議採決への同意を取り付けることが必要であるが、Frist院内総務はまだこの決定を行なっていない。しかしながら、Specter上院議員は、下院が第810号議案を可決すれば、Frist院内総務は上院本会議での審議採決を認めるであろうと語っている。 下院本会議における同法案の採決方法はまだ不明であるが、審議・投票はここ2〜3ヵ月以内に行なわれるものと期待されている。同法案の支持者達が、本会議まで達すれば同法案可決の可能性は高いと期待している一方で、胎性幹細胞研究の反対者達は法案の敗北に全力をあげると誓っている。また、ホワイトハウスのスポークスパースンDana Perino女史も、ブッシュ大統領は本件に関して見解を変えていないと主張している。(Washington Post, March 25, 2005)
3月25日号 フロリダ水素イニシアティブ、水素燃料プロジェクト3件に約100万ドルのグラントを交付 フロリダ水素イニシアティブ(Florida Hydrogen Initiative) …水素燃料プロジェクトの奨励を目的として昨年結成された非営利団体… が3月22日、3件のプロジェクトに約100万ドルの助成を行なう予定であると発表した。北米では、水素研究開発の推進地域がカナダと西海岸に集中しているが、今回のプロジェクト助成は、フロリダ州を東海岸における水素・燃料電池開発の基地として確立することを支援することになる、と同イニシアティブのSteve Adams理事長は語っている。同イニシアティブで助成を受けるプロジェクトと助成額は下記の通り:
(FuelCellsToday.com, March 22, 2005) プラズモニクスに挑戦するスタンフォード大学工学部の研究チーム スタンフォード大学工学部の研究チームが、フォトニクスの莫大なデータ貯蔵能力とナノエレクトロニクスの微小さを兼ね備えた単一技術「プラズモニクス(plasmonics)」を開発している。プラズモンは、光と同様の周波および電磁界を持つものの、サブ波長(sub-wavelength)が小さい為に光ほどのスペースを必要としない。原理的には、波長の一つ一つが情報を運ぶことが可能であるため、既存の電子マイクロプロセッサの約10万倍の光周波数を持つプラズモンをナノスケールのワイヤーに沿って送波する新技術「プラズモニクス」は、コンピューティング分野に大躍進をもたらすことになる。 この研究は、プラズモニクス多分野大学研究イニシアティブ(Multidisciplinary University Research Initiative = MURI)を通して行なわれており、一般的なシリコンチップ上でプラズモニクスの作動を実証することを究極目標としている。同研究チームでは既に、プラズモン発生源(plasmon source)やワイヤー、および、検波器等の装置を開発しており、これまでの研究結果は専門誌Optical Lettersへの掲載が決まっている。 プラズモニクスMURIは、昨年10月に空軍からのグラント260万ドルで新設されたイニシアティブで、今月初旬には更に30万ドルのグラントを追加で受領している。(Stanford Report, March 16, 2005) ウィスコンシン大学研究チーム、バクテリアの細胞一個を使いナノスケールの生体電気回路を作成 ウィスコンシン大学(UW)マジソン校の科学者チームが、バクテリアの細胞一個を使って、ナノスケールの生体電気回路(bioelectric circuit)を作ることに成功した。この研究は、原子大のマシーン製作を遥かに容易に行なう可能性をしめすという点で非常に重要であり、炭疽菌を始めとする危険な生物媒体をほぼ瞬間的に検出できる新型の生体センサーの土台となる可能性もある。 UWマジソン校の研究チームが開発したシステムは、生きた微生物 …特にバクテリア… を一対の電極の間の狭いチャネルに一個づつ導き入れるというもの。二つの電極の間に滑り込んだ微生物は、両側の電極を接合する電気回路のようになるが、この段階で微生物の電気特性を測定することによって、微生物が危険な生物媒体に接触したか否かを実時間で瞬間的に判定することが可能であるという。 専門誌Nano Lettersの4月号で報告されたこの研究は、複雑なナノスケール構造の型版(template)として微生物を利用することが可能であり、時間のかかるナノスケールでのデバイス組立てが不要となることを示唆している。(UW-Madison News Release, March 17, 2005)
3月24日号 米国海軍、バイオディーゼル20%混合燃料の使用を義務付けるメモランダムを発令 米国海軍が、海軍と海兵隊の非戦術用途車両全てに2005年6月1日からバイオディーゼル20%混合燃料使用を義務づけるメモランダムを発令した。メモランダムに基づき、バイオディーゼルは、国防エネルギー支援センター(Defense Energy Support Center)からの供給が可能で、適切な燃料タンクがある基地で使用されることになる。但し、この施策は戦術用途の車両や設備には適用されない。 世界最大のディーゼル燃料消費者である米国海軍では既に、多くの海軍施設でバイオディーゼル燃料を使用しており、カリフォルニア州のベンチュラカウンティ海軍基地においては、2003年から独自の加工装置でバイオディーゼルを生産するパイロット計画も実施している。(RenewableEnergyAccess.com, March 22, 2005) カナダで新たな風力発電プロジェクト、国全体の設備容量が約25%増加 Jacques Saadaケベック地域経済開発庁担当大臣が3月16日、ケベック州マードックビルの新たな風力発電プロジェクト2件に財政支援を行なうと発表した。マウント・ミラーとマウント・コパーに設置される風力タービン計60基の設備容量は108メガワットであり、これによって、カナダ全体の風力発電設備容量は現在の444メガワットから552メガワットに増大することになる。 カナダ政府は、風力で発電された電気1キロワット時あたりに約1(カナダ)セントを支払うという風力発電生産インセンティブ(Wind Power Production Incentive = WPPI)を使って、同国風力設備容量の約60%の開発に貢献してきた実績を持っている。このプロジェクト2件に対しては、10年間で3,650万ドル以上が提供される見込みであるという。カナダ政府は、2010年までに同国の風力エネルギー設備容量を4,000メガワット追加するという目標を立てている。(Natural Resources Canada News Release, March 16, 2005) 環境保護庁とエネルギー省、Energy Star賞の受賞者を発表 環境保護庁(EPA)とエネルギー省(DOE)が、エネルギー使用合理化によって温室効果ガス排出の削減に多大な貢献をしたビジネスや組織の努力を讃えるEnergy Star賞の受賞者を発表した。この授賞式は首都ワシントンで3月15日に開催される。EPAによると、Energy Starのおかげで、米国は昨年一年で自動車2,000万台に相当する温室効果ガスを削減したほか、2,000万戸の電力消費量に相当するエネルギーを節減したという。これは、消費者にとり100億ドルの節約になるという。Energy Star賞のカテゴリーと、主要な受賞者は下記の通り:
(EPA National News, March 11, 2005)
3月22日号 上院に提出された、新たな水素および燃料電池研究開発法案 Byron Dorgan 上院議員(民主党、ノースダコタ州)とLindsay Graham上院議員(共和党、サウスカロライナ州)は3月17日、水素および燃料電池技術の研究開発に向こう10年間で79億ドルを拠出するという新法案を提出した。「2005年水素および燃料電池法案 (Hydrogen and Fuel Cell Act of 2005:上院第665号議案)」の概要は下記の通り: 1. 同法案の目的
2. 水素および燃料電池
(単位:百万ドル)
3. 水素および燃料電池の実証
(単位:百万ドル)
4. 市場への移行
(単位:百万ドル)
(単位:百万ドル)
5. 規制管理
(単位:百万ドル) FY2006 FY2007 Fy2008 FY2009 FY2010 FY2011 FY2012 グラント・契約 4 7 8 8 10 9 9 下院科学委員会、高性能コンピューティング再活性化法案を可決 下院科学委員会が3月17日に、「2005年高性能コンピューティング再活性化法案 (High-Performance Computing Revitalization Act of 2005:下院第28号議案)」を可決した。Judy Biggert下院議員(共和党、イリノイ州)の提案した同法案は、「1991年高性能コンピューティング法」を改定するもので、大統領に高性能コンピューティング研究開発プログラムの導入を指示している。 同法案はホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)に、(1)連邦政府の高性能コンピューティグ研究開発やネットワーキング他の活動に対する目標および優先事項の設定;(2)こうした目標を実施するプログラム別構成分野(Program Component Area)の設置およびプログラムで取り上げるべきグランドチャレンジの確認;(3)高性能コンピューティングシステムのロードマップの策定等を行うよう義務付けるほか、高性能コンピューティングに関する基礎研究や応用研究を実施する全米科学財団(NSF)、米航空宇宙局(NASA)、エネルギー省(DOE)、国立標準規格技術研究所(NIST)、国家海洋大気局(NOAA)、および、環境保護庁(EPA)の責任に関する条項をも改定することになる。(CQ Today, March 17, 2005; HR Bill Summary, January 4, 2005) 製造業者に課された規定の緩和を模索するホワイトハウス 行政管理予算局(OMB)が、米国企業の世界的競争力を阻んでいると批判された製造業関係76規定のリストを発表した。これにより、環境保護庁(EPA)・運輸省・エネルギー省(DOE)・商務省・連邦取引委員会(Federal Trade Commission)には、規定の査定評価と改定が義務付けられることになる。 今回発表された規定のうちの38件がEPAの管轄に入る規定で、内16件は産業組合の全米製造業者組合(National Association of Manufacturing = NAM)が改変を要請したものである。NAMのJohn Engler会長は、こうした規定は遵守コストが莫大すぎて、米国企業の競争力を損ねているため、規制改革の達成は製造業者や雇用者にとって好ましいだけでなく、米国にとって重要であると主張している。今回見直される規定には下記が含まれている:
行政府は、今回の規定見直しでは経済問題と健康問題の均衡を保つと約束しているものの、規定見直しの反対者達は、改定の大半がEPAを対象としたものであるため、国民の健康や環境面でのセーフガードが弱体化することになると批判している。(Greenwire, March 15, 2005)
3月21日号 ニューメキシコ州、公共施設に太陽光発電を設置するため2,000万ドルの公債発行 ニューメキシコ州が公立の建物に太陽光発電を整備する費用を調達する法案を可決した。この法の制定により、同州は、公立の建物や校舎に主に太陽光発電用の改装を行う資金を調達する目的で、最高2,000万ドルの公債を発行することができる。公債の返済費は、州が支払っていた従来型発電による電気の購入費の節減分で賄われる。公債の利払いをしても、州はまだ支出を節減することができる。 事実、ニューメキシコ州エネルギー・鉱業・天然資源省は2,000万ドルの公債発行によって、20年の償還期間中に4,600万ドルの光熱費を削減できると見積もっている。このうち2,800万ドルが公債償還に当てられ、残る1,800万ドルが州の純収入となる。(RenewableEnergyAccess.com, March 18, 2005) 司法省と環境保護庁、オハイオ・エディソン社相手の訴訟で和解に達したと発表 クリントン政権が1999年に起こしたもう一つの新排出源査定(New Source Review = NSR)訴訟が合意判決によって解決した。この和解は、共同原告である連邦政府・ニューヨーク州・ニュージャージー州・コネティカット州と、被告のオハイオ・エディソン社(ファーストエネルギー社の子会社)との間で実現した。 合意の取り決めの下、オハイオ・エディソン社では下記を行うことになる:
850万ドルの罰金は、NSR違反に対して発電所が支払う罰金としては史上2番目に高額である。2,500万ドルのミティゲーションプロジェクト投入額は、これまで和解したNSR訴訟の中で最高額となる。(EPA News Release, March 18, 2005)
3月18日号 Bodmanエネルギー長官、クリーンコール研究プロジェクトのグラント交付先を発表 エネルギー省(DOE)のSamuel Bodman長官が3月16日に、ブッシュ大統領の掲げる無公害石炭火力発電所開発という目標の実現を目指した、クリーンコール研究プロジェクト32件に総額6,240万ドルのグラントを交付すると発表した。今回発表されたプロジェクトは、(1) 炭素隔離;(2) 先端発電システム研究;(3) 石炭燃料と水素;(4) 先端ガス化技術の4分野に分類されている。炭素隔離分野で選定されたプロジェクト数は8件でグラント総額は約530万ドルとなっているほか、先端発電システム研究分野のプロジェクト8件には総額約690万ドル、石炭燃料と水素分野で選定された12件のプロジェクトには総額約2,980万ドル、そして、先進ガス化技術分野の4プロジェクトには総額約670万ドルが給付されている。各分野で選定された主なプロジェクトは下記の通り: (1) 炭素隔離
(2) 先端発電システム研究
(3) 石炭燃料と水素
(4) 先端ガス化技術
RTI International社、再利用可能な水素燃料貯蔵技術の開発で160万ドル受領 エネルギー省(DOE)が、再利用可能な水素燃料貯蔵技術の開発で、RTI International社と4ヵ年の共同研究開発協定(CRADA)を締結した。同プロジェクトでは、加熱によって分解すると、重量の約20%もの純水素を放出するアミノボレン(aminoborane)と呼ばれる材料を使用して、水素自動車用のオンボード燃料システムを設計するほか、空になった水素貯蔵材料のコスト効率的なリサイクル工程を開発する予定である。このCRADAプロジェクトには、ロシアの国立科学研究センター、および、ユタ州に本拠を置くATK/Thiokol社も参加する。DOEは同プロジェクトに160万ドルを給付している。(RTI International News Release, March 9, 2005) 上院に提出された、再生可能資源利用発電を対象とする生産税控除の5年間延長法案 Byron Dorgan 上院議員(民主党、ノースダコタ州) とGordon Smith上院議員(共和党、オレゴン州)が、再生可能エネルギー資源で発電を行う施設を対象とした生産税控除を5年間延長する法案を提出した。現行法では、風力やソーラー、地熱やクローズドループ型バイオマスを利用する発電所にキロワット時あたり1.8セントの税額控除を与え、オープンループ型バイオマスや小規模灌漑発電、および、ゴミ発電の施設にも若干低い(1.8セント以下の)税額控除を与えているが、これは今年の12月31日で期限切れとなる。 Dorgan上院議員とSmith上院議員が提出した超党派の同法案は、再生可能エネルギー技術の推進、地方経済の活性化、および、米国のエネルギー自立とエネルギー多様化の助長を目的とするもので、再生可能資源利用発電に極めて重要な生産税控除を2010年12月31日まで延長することを求めている。同法案はまた、更なる再生可能資源の開発を奨励するため、非課税の地方協同組合や公営電気事業者、および、アメリカ原住民族にもこの税控除の利用を認めることになる。(RenewableEnergyAccess.com, March 17, 2005) Phil Gingrey下院議員、「2005年グリーン化学研究開発法案」を提出 Phil Gingrey下院議員(共和党、ジョージア州)が3月10日に、「2005年グリーン化学研究開発法案(下院第1215号議案)」を提出した。同法案は、化学製品や化学的工程を設計する際に有害副産物の排除を配慮することによって化学製品の環境優良性を向上させることを目的としており、その努力の調整および予算額を拡大するためにグリーン化学研究開発プログラムを設立することを提案している。この法案は向こう3年間で8,400万ドルを認可するもので、拠出先および拠出額は下記の通りとなる:
昨年も、このような法案が2本提出されたが、下院本会議での可決後、上院商業科学運輸委員会で行き詰り、そのまま会期終了を迎えている。上院では、Olympia Snowe上院議員(共和党、メイン州)が近々、昨年の法案に類似した法案を提出するもようである。下院科学委員会では、3月17日(木)に下院第1215号議案の採決を行なう予定である。 (Energy & Environment Daily, March 15, 2005)
3月17日号 下院科学委員会の環境・技術・標準小委員会、2005年製造業競争力強化法案を可決 下院科学委員会の環境・技術・標準小委員会が3月15日に、「2005年製造業競争力強化法案(Manufacturing Technology Competitiveness Act of 2005):下院第250号議案」を可決した。同小委員会のVernon Ehlers委員長(共和党、ミシガン州)が今年1月6日に提出したこの法案は、イノベーションと新技術利用の促進によって米国製造業者の競争力を強化するというもので、製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership = MEP)を始めとする国立標準規格技術研究所(NIST)の既存活動への予算を再認可するほか、NIST内に、製造業共同研究パイロットグラント(Collaborative Manufacturing Research Pilot Grants)、および、製造科学フェローシップ計画(Manufacturing Fellowship Program)という2つのプログラムを新設するものである。同法案の審議中、David Wu下院議員(民主党、オレゴン州)は先端技術計画(Advanced Technology Program = ATP)への予算計上が盛り込まれていないことに不満を表明したが、Ehlers委員長は個人的にはATPを支持しているものの、上院を通過する可能性がないために、同法案からATP予算を外したと説明している。「2005年製造業競争力強化法案」の概要は下記の通り: 1. 省庁間委員会と諮問委員会 (a) 省庁間委員会 (1) 大統領は、製造業研究開発 (R&D) に関する省庁間委員会を設置または選定する。同委員会のメンバーは、ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)、NIST、国土安全保障省(DHS)の科学技術部門、全米科学財団(NSF)、エネルギー省(DOE)、および、大統領が選定する他省庁の代表で構成され、商務省の技術担当次官がその委員長を務める。 (b) 諮問委員会 (1) 大統領は、同法令制定日から6ヵ月以内に、省庁間委員会に助言や情報を提供する諮問委員会を設置または選定する。 2. 製造業共同研究パイロットグラント (a) NISTの所長は、製造業共同研究パイロットグラント計画を設定する。同計画の目的は、革新的で学 際的な製造技術の開発を奨励するために、企業・教育機関・研究所・州政府機関・非営利団体の間の費用分担型協力を推進することで、パイロットグラントは、製造部門パートナー最低1名と産業界以外のパートナー最低1名から成るパートナーシップに給付されるものとする。 (b) 同グラントの額は、パートナーシップのコストの3分の1未満とする。 (c) 申請書は、NIST所長の指定する義務要項に沿って提出される。 (d) NIST所長は、プロジェクトを選定する際の最低限のクライテリアとして、下記を考慮する: (1) プロジェクトが製造業に及ぼす波及効果 (e) プロジェクト選定の際にNIST所長は、多様な製造業部門、および、大中小の様々な規模の企業に可能な限りグラントを分散して給付する。 (f) 各グラントの給付期間は3年間とする。 3. 製造業フェローシップ計画 (1) 製造科学の先端をいく健全な研究コミュニティの構築を促進するため、NISTの所長は、(A) NISTに、製造科学関連の研究活動を行なう為のポスドク研究フェローシップ計画を創設し;(B) NISTで製造科学関連の研究を行なうことを希望する産業界や高等教育機関の常雇い研究者の為に上級研究フェローシップを創設する。 4. 予算認可額 (単位:百万ドル)
ワシントン州議会、革新的な再生可能エネルギー法案を可決 ワシントン州議会は、同州における再生可能エネルギー市場の構築に貢献しそうな2本の革新的な法案を可決した。その1つはドイツのアプローチを模した需要ベースの法案であり、太陽光・風力・消化ガス (anaerobic digester) を利用した発電を行う家庭や企業を対象に、1キロワット時あたり0.15ドル、最高2,000ドルのクレジットを提供することになる。この法案が革新的であるのは、次の理由による:
もう1つは供給ベースの法案であり、ワシントン州内の再生可能エネルギー企業や同州に移転する再生可能エネルギー企業に税控除を設けるものである。それらの企業のうち、経済的に恵まれない地域への立地を決定した企業にはさらに大きな税控除が適用される。(RenewableEnergyAccess.com, March 15, 2005)
3月17日特別号 上院本会議、北極圏野生生物保護区域の掘削解禁を51対49で承認 北極圏野生生物保護区域(ANWR)の一部を石油・天然ガスの掘削に解禁する条項が、上院の予算決議案に盛り込まれた。上院議員は少数派であっても、議事妨害(filibuster)という手段に訴えることで、議案の可決を阻止することが可能である。この議事妨害を覆すためには、60票が必要であるため、上院で法案を可決する為には賛成60票を確保することが必要となる。一方、予算決議案だけは議事妨害の行使が認められおらず、単純多数決で決定される。同制度を利用した単純多数決による可決を狙い、上院の共和党指導層は3月16日、ANWRの掘削解禁条項を盛り込んだ上院予算決議案を上院本会議に上程した。同予算決議案では、エネルギー会社からANWRリース料として、1エーカーあたり4,000〜6,000ドルが入るという仮定に基づき、約25億ドルのロイヤルティ収入を推定しているが、一部民主党議員からは、過去4年間の北部アラスカの平均リース料が40ドル未満であるため、この仮定を疑問視する声があがっている。 ブッシュ大統領は3月9日にオハイオ州コロンバス市のバッテル・メモリアル研究所を訪問した際、ANWRの2,000エーカーを石油探査に開放することで、数千の新雇用が創出されるばかりか、海外石油への依存度を日産100万バレル削減することが可能であると発言し、ANWRでの掘削に対するコミットメントを新たにしたばかりである。米国政府の推定によると、ANWRの掘削解禁地域からの石油産出量は100億〜160億バレルになるという。 上院予算委員会の予算決議案は昨夜、上院本会議での審議にかけられた。Maria Cantwell上院議員(民主党、ワシントン州)は2006年度予算決議案からANWR掘削解禁条項を削除する修法案を提出したが、同修正法案はほぼ党派ラインに近い51対49で否決された。ANWR解禁条項を含んだ上院の予算決議案は今後、上下両院協議会で、同条項を含まない下院の予算決議案と擦りあわせられることになるものの、昨夜の上院本会議での採決はブッシュ政権にとって大きな勝利であるといえる。(Environmental News Network, March 10, 2005; NGI Power Market Today, March 17, 2005) 3月15日号 ナノキューブ、ノート型コンピューターの動力源となるか? クリーン・エネルギーの開発に取り組んでいた化学企業BASF社の科学者等が、比較的低圧・低温でさほどスペースもとらずに水素などの気体を大量貯蔵する可能性を秘めた「ナノキューブ (nanocube)」を作成した。気体がこの結晶に注入されると、気体分子が連系網格子(grid-like lattice)のような有機金属物の枠と結合し、この表面積によって、大量貯蔵が可能となる。気体は種類によって、特定の気圧と温度で結晶に結合するため、各種の気体の貯蔵に利用できる可能性がある。 たとえば、水素は比較的低圧・低温で結晶組織に結合する。これによって、比較的安全な貯蔵状態が得られるため、自動車燃料電池用の水素貯蔵のほか、携帯電話、ノートブック型パソコン、パーソナルステレオなどの小型電子機器用の水素貯蔵にもこの結晶を使える可能性がある。(The Daily Telegraph, February 23, 2005) ブッシュ大統領、ジョンズ・ホプキンズ大の著名物理学者Griffin氏を米航空宇宙局の次期長官に指名 はえ抜きの科学者を環境保護庁(EPA)長官に任命したブッシュ大統領は、続いて、物理学者のMichael D. Griffin氏を米航空宇宙局(NASA)の次期長官に指名した。同氏は現在、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所の宇宙部長であり、科学・工学分野における華々しい経歴の持ち主である。 Griffin氏は上院商業・科学・輸送委員会での承認を待つ状態だが、まだ日取りが決まっておらず、議会は間もなく2週間の春季休会に入るため、委員会での討議は4月上旬から中旬に持ち越される可能性が高い。ただし、両院の商業委員会代表がこの指名を公然と称えているため、Griffin氏の指名承認は難なく進むと思われる。(CQ Today, March 11, 2005) 上院に提出された、エタノールとバイオディーゼル生産税控除拡大法案 Jim Talent上院議員(共和党、ミズーリ州)を始めとする中西部選出の上院議員10名が、エタノールやバイオディーゼルの小規模生産業者に対する優遇税制の対象を拡大する法案を提出した。現行法では、年間3,000万ガロンまでの生産業者が小規模と規定され、ガロンあたり10セントの税控除 …最初の1,500万ガロンまで… の対象となっているが、提案された法案は、この税控除の対象を年間最高6,000万ガロンの生産業者にまで拡大するというものである。同法案は、年間3,000万ガロン以上を生産する為に現在小規模生産者税控除の対象から外されている、新技術を導入したエタノール工場を支援することになると期待されている。(RenewableEnergyAccess.com, March 14, 2005)
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