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2005年1月前半分 ■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった 1月14日号 太陽電池のブレークスルー、紫外線を活用 トロント大学の電気システム工学科の研究チームが、太陽の紫外線をとらえるナノ粒子を開発した。半導体結晶から作られた1ナノメーターの粒子は、溶剤に溶けずに懸濁するため、これで紫外線感知スプレーを作ることが可能になるという。 既存技術では溶液処理可能(solution-processible)な光感受性材料を作製できるものの、この材料は可視光スペクトルしか利用することができないために効率が極めて低い。一方、Ted Sargent教授を中心とする研究チームが開発したナノ粒子スプレーは、これまで利用されなかった太陽の非可視光と可視光の両方を活用するものであり、既存のポリマー太陽電池に吹きかけることで、その効率が向上するものと期待されている。トロント大学の研究をレビューしたスタンフォード大学のPeter Peumans教授によると、紫外線と可視光の双方を利用する太陽電池は、太陽の放射エネルギーを最高30% …現在のプラスチック太陽電池の効率は最高で6%… 利用できるという推定がでているという。Sargent教授は、この技術が3〜5年以内に商用化されることを期待している。(RenewableEnergyAccess.com, January 11, 2005) 南岸部大気管理局、発電所等の排出基準を強化 南岸部大気管理局(Sounth Coast Air Quality Management District = SCAQMD)が、クリーンエア・インセンティブ地域市場(Regional Clean Air Incentives Market = RECLAIM)計画と呼ばれる排出クレジット取引先導策の規定を強化する。新規定により、同取引計画に参加する発電所や石油精製所といった施設には2011年までに、一日の窒素酸化物排出量を更に7.7トン削減することが義務づけられることになる。この排出削減規定は2007年にスタートし、段階的に施行される。RECLAIM計画の強化は約330の施設に影響をもたらすことになるが、SCAQMDでは既存技術を用いてコスト効率的に、この追加排出削減を達成することが可能であると主張している。SCAQMDでは、この規定改訂で同計画参加施設からの排出量が20%削減すると推定している。(Greenwire, January 10, 2005) 研究管理プロセス合理化に向け、一歩を踏み出した大統領府 大統領府が、学際的共同研究の促進、および、連邦政府研究グラントの管理プロセス合理化を図るため、下記の政策指針を発表した。
(OSTP Press Release, January 11, 2005)
1月13日号 環境保護庁、Energy Star電源アダプタの導入で電力消費量の大幅削減を期待 環境保護庁(EPA)が、家電製品や個人用電子機器用の外部AC/DC電源アダプタへのEnergy Starラベル表示に関する指針を先頃まとめた。これによれば、電源アダプタEnergy Starラベルの表示資格を得るためには、エネルギー効率が既存モデルよりも平均約35%優れていることが条件とされている。米国で使用されているアダプタの数は約15億個で、全国の年間電力消費量に占める割合は約6%と推定されている。EPAでは、Energy Starラベルという電力使用合理化策の導入によって、電力消費量を最大2%節減し、温室効果ガスの排出を400万トン以上防止できると見られている。この削減量は、80万台の自動車を路上から取り除くに等しいものである。 価値ある製品の開発を目指して、EPAはPhihong社、Lite On社、Bias Power社(三社の市場占有率は合わせて22%)など、世界有数のアダプタ・メーカーと連携し、さらに、ヒューレット・パッカード社、サムソン・テレコミュニケーションズ・アメリカ社、パナソニック社の協力も得ている。(Greenwire, January 7, 2005) レンスラー工科大学、炭素ナノチューブを用いた新防振材料を開発 レンスラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute)の研究者等が、精密な検査機器から日常的な電子機器や製造機械に及ぶ幅広い製品の振動を減じ、製品の性能と安全と信頼性を高める炭素ナノチューブを使った新材料を開発した。この新材料は、在来型の防振材料に炭素ナノチューブ充填材を添加して作り出されたもの。ナノチューブの大量添加は材料の表面面積を増大させるが、これが充填材と充填材の界面で発生する摩擦すべりを増進させ、その結果、振動が減少することになるという。 オンラインの「Nature Materials 」誌に掲載されており、近日刊行される印刷版の同誌でも紹介されるこの研究は、Nikhil Koratkarを始めとするレンスラーの研究員が行ったもので、全米科学財団(National Science Foundation = NSF) がKoratkarに授与したFaculty Early Career Development (CAREER) Awardの賞金を財源として行われた。同賞はNSFが若手の科学者やエンジニアに与える最も栄誉ある賞である。(NSF Press Release, January 12, 2005; Rensselaer Press Release, January 10, 2005) 米国各州のテクノロジーに基づくイニシアティブ 州知事が来年度の議題や予算要求をまとめる時期となり、一部の知事は各種のテクノロジー施行のイニシアティブに投資を増大する案を発表し始めている。以下は、最近発表された州計画の中からState Science and Technology Institute (SSTI) が特定したものである。
(SSTI Weeklly Digest, January 10, 2005)
1月12日号 ローレンス・バークレー国立研究所、再生可能エネルギー利用拡大の天然ガスへの影響を調査 エネルギー省(DOE)傘下のローレンスバークレー国立研究所が、再生可能エネルギー(Renewable Energy = RE)とエネルギー効率化(Energy Efficiency = EE)の導入拡大が天然ガス価格に及ぼす影響を分析した報告書を発表した。『天然ガス危機の軽減:再生可能エネルギーとエネルギー効率化技術の導入拡大による天然ガス価格の引き下げ (Easing the Natural Gas Crisis: Reducing Natural Gas Prices through Increased Deployment of Renewable Energy and Energy Efficiency)』という報告書は、エネルギー情報局(Energy Information Administration)や憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)等の作成した研究報告書を数冊調べ、エクセルをベースにした簡単なツールで、REやEEが天然ガス価格に与える影響を数量化している。同報告書の調査結果は下記の通り:
(Lawrence Berkeley National Laboratory Report, January 2005) ゼネラル・モ−ターズ、燃料電池自動車のコンセプトカー「Sequel」を北米オートショーで披露 ゼネラル・モーターズ(GM)が、デトロイトで開催されている北米オートショーで、燃料電池自動車のコンセプトカー「Sequel」を披露した。Sequelで特筆すべき最大の進歩は、在来型ガソリン自動車に匹敵する300マイルという走行距離を可能にした圧縮水素貯蔵タンクである。GMの技術担当チーフであるLawrence Burns氏は、液化水素の使用によって走行距離を450マイルまで伸ばすことが可能であると語っている。また、Sequelにはこれまで以上にパワフルな燃料電池のスタックが使用されており、0から60マイルへの加速は10秒未満で、これも在来型自動車に匹敵する。 Burns氏によると、GMは現在、Sequelの生産・組み立て技術を開発中であり、2010年までに年間100万台の製造が可能になることを期待しているという。(The Washington Post, January 9, 2005) 上院商業科学運輸委員会の小委員会再編成を画策する、Ted Stevens新委員長 上院商業科学運輸委員会のTed Stevens新委員長(共和党、アラスカ州)が、同委員会小委員会の再編を提案している。Stevens新委員長の提案の要は、John McCain上院議員(共和党、アリゾナ州)が柁を握ると見られていた通信担当小委員会の撤廃である。Stevens委員長は、同委員会で今年最大の議事案件となる、1996年通信法令のオーバーホールを自ら担当し、委員会本会議に直接持ち込むことを望んでいるという。この他に、Stevens委員長は下記の提案も行なっている:
Stevens新委員長のこの提案が発効するには、委員会での採択が必要となる。委員会にはこの再編案に異議を唱えている者もあると報告されているため、現段階では十分な支持が存在するか否かは明白でない。(CQ Today, January 10, 2005; Energy and Environment Daily, January 11, 2005)
1月11日号 幹細胞研究の第一回目グラントを5月と想定する、カリフォルニア再生医療研究所 昨年11月のカリフォルニア州住民投票によって創設が認められたカリフォルニア再生医療研究所(California Institute for Regenerative Medicine)の管理を担当する監督委員会(Independent Citizen's Oversight Committee)が、1月6日に会合を開催し、新研究所のフル活動前に解決しておく必要のある様々な問題を討議した。監督委員会は、Arnold Schwarzenegger州知事等によって任命された、大学やバイオテクノロジー業界の代表者26名で構成されている。カリフォルニア再生医療研究所の拠点も予算も未決定であるにも拘わらず、新研究所の所長となるRobert Klein氏は、今年5月までに第一回目のグラントの授与を行う予定であると語っている。 監督委員会の第1回目会合では、Robert Kleinを委員会の委員長に、バイオテク会社の創設者であるEdward Penhoet氏を副委員長に任命したほか、研究所の立地先を検討する為に7名構成の小委員会の指名も行なった。更に、利害対立の規定や知的所有権の指針といった規制面での問題についての審議も開始したという。(The New York Times, January 7, 2005) エネルギー法案の早期可決をもくろむ下院共和党議員 エネルギー業界のロビイスト等は、下院共和党議員が、第108議会の包括エネルギー法案(下院第6号議案)に類似したエネルギー法案を第109議会初旬に手早く可決させることを検討中であると報告している。ロビイストによると、下院共和党議員等がこの戦略を検討している理由として、下記が考えられるという:
しかしながら、下院共和党議員等がこうした戦略を検討中であるとすれば、これは、上院で進展がない限りは第109議会でエネルギー法案を取り上げるつもりはないと主張していた下院エネルギー商業委員会のJoe Barton委員長(共和党、テキサス州)の発言に相対立することになる。Barton委員長は、ちまたで噂のこの戦略についてコメントを避けている。(Environment and Energy Daily, January 10, 2005)
1月10日号 水素貯蔵技術の向上を目的に、サンディア国立研究所と協力するゼネラル・モーターズ ゼネラル・モーターズ(GM)とサンディア国立研究所が共同で、ナトリウムアルミニウム・ハイドライド (sodium aluminum hydride) の水素貯蔵タンクを設計・開発・実験する、総額1,000万ドルの4ヵ年計画に乗り出した。同計画では、現在利用されている水素貯蔵方法よりも遥かに多量の水素を貯蔵できるオンボード型水素貯蔵タンクの前プロトタイプ型(pre-prototype)を開発することを目標に掲げている。 同プロジェクトは2フェーズに分けて行なわれるが、第1フェーズでは、ナトリウムアルミニウム・ハイドライド 貯蔵タンクの理想的デザインを判定する為にエンジニアリング・スタディを行ない、様々な形状のタンクを実験し、第2フェーズでは、有望なデザインのタンクを厳しいテストにかけ、前プロトタイプのタンクを作製することになるという。 水素吸蔵合金(metal hydride)をベースとした水素貯蔵システムの利用には、作動温度の高さ、効率の低さ、水素補給時間の長さといった問題が付きまとうが、GMとサンディア国立研究所は今回のプロジェクトを、オンボード型水素貯蔵のこうした問題を解決する為の包括的努力の一環と位置づけているという。(FuelCellsToday.com, January 6, 2005) アリゾナ州立大学のバイオデザイン研究所、革新的な研究施設を正式オープン アリゾナ州立大学のバイオデザイン研究所 (Biodesign Institute = AZ Bio) が12月14日、6,900万ドルをかけて建設した床面積17万平方フィートという新ビルを正式にオープンした。レンガとガラスとスチールで出来たビルの中は、仕切り壁のないオープンスペースで、教授毎に指定された研究スペースもない。実験テーブルには移動用の車輪がついており、研究者はデスクを必要な時に必要な場所へと移動させ、他の研究者等と自由に協力することができるようになっている。革命的ともいえる同コンセプトは、革命的なプロジェクトに携わる教授や学生には非常に適しており、この新施設では既に、癌やエイズへの対策;脳溢血患者のリハビリ;石油依存の削減;国家安全保障の改善といったプロジェクトが進行している。 アリゾナ州の消費税引き上げによって建設された同研究施設により、数多くのイノベーションが生まれ、これらのイノベーションを市場化するために企業が結成されるにつれ、数千の雇用が生み出されるものと期待されている。AZ Bioは既に、5億ドル以上のスタートアップ投資を獲得している。(The Arizona Republic, December 15, 2004) 上院商業科学運輸委員会、Carlos Gutierrez氏の新商務長官任命を承認 上院商業科学運輸委員会が1月6日、Carlos Gutierrez氏の新商務長官任命を全会一致で承認した。上院本会議における同氏の承認審議は、1月20日の大統領宣誓式後に行なわれる予定であるが、同氏の商務長官任命は容易に可決されるものと見られている。 上院商業科学運輸委員会で行われた承認審議公聴会では、鋼鉄・木材・半導体・娯楽・農業といった業種における貿易摩擦の懸念が表明されたが、Gutierrez氏はこれに対して、他国の不公平な貿易慣行から米国産業を守り、貿易相手国が貿易協定を確実に尊重するよう最善を尽くす意向であると返答した。Gutierrez氏は新商務長官として、貿易や雇用といった経済問題だけでなく、自らも知識不足を認める国立海洋大気局(NOAA) …2005年度のNOAA予算は商務省総予算の約60%… の監督も行うことになる。Gutierrez氏は、商務長官に承認された暁には、NOAAを最重要分野の一つとして取り上げると発言している。(Energy and Environment Daily, January 7, 2005) Baucus議員、二酸化炭素排出削減条項の無いクリアスカイ法案は拒否の立場を表明 上院環境・公共事業委員会のMax Baucus議員(民主党、モンタナ州)が、クリアスカイ法案に二酸化炭素(CO2)排出削減の義務づけ条項が盛り込まれていない限り、クリアスカイ法案を支持するつもりはないという立場を明らかにした。これは、同委員会内の票が党派ラインに二分し、反対派に、Jim Jeffords議員(無所属、バーモント州)とLincoln Chafee議員(共和党、ロードアイランド州)が加わって、票決は9対9で行き詰まりとなることを意味する。 CO2排出問題の取り扱いを考慮すると、共和党によるクリアスカイ法案復活の為の代替策はかなり限定されることになる。Bill Frist上院共和党院内総務 (テネシー州) が同法案を上院本会議に直接持ち込めば過半数をかろうじて獲得できるとしても、民主党による議事妨害を防止するために必要な60票にはとうてい満たないものと見られている。(Environment and Energy Daily, January 7, 2005)
1月7日号 UL社とCSA America、ミクロ燃料電池の基準策定で協力 Underwriters Laboratories(UL)社とCSA Americaが、ミクロ燃料電池発電システム、および、関連する燃料電池カートリッジに必要な新基準を2005年12月までに共同策定し、アメリカの国家基準として提案する予定であると発表した。この新基準によって、ミクロ燃料電池発電システムとそれに関連する燃料カートリッジの設計・性能・設置・処分や安全な燃料貯蔵について義務要件が設定されることになる。新基準を検討する委員会のメンバーは、UL社とCSA Americaの代表者、ミクロ燃料電池業界のリーダー、政府省庁や規制当局の代表者、末端利用者や他の利害関係者で構成される見込みである。(Power Electronics Technology Magazine, January 5, 2005) アルゼンチンの研究者チーム、エタノールから水素を生成する技術を開発 ブエノスアイレス大学の触媒プロセス研究所(Catalytic Processes Laboratory)の研究者11名が、サトウキビや穀物等の植物を原料としたエタノールから水素を生成する技術を開発した。この生成技術によって生じる水素燃料は、二酸化炭素含有量が20〜30ppmと低いため、自動車用燃料電池を腐食させる心配がないという。エタノールを水素に転換する技術は既に知られているものの、同研究チームは「超純粋の」水素を生成できるまでに変換技術を完璧化したという。このプロセスは、個別の水素生成装置や水素の圧縮・貯蔵・販売施設を必要とせず、ドライバーはガソリンスタンドで燃料タンクにアルコールを入れるだけでよいため、輸送用燃料としての水素利用を推進させるものと期待される。(FuelCellsToday.com. December 28, 2004) 米航空宇宙局、スペースシャトル打上げ再開に向け、外部燃料タンクの改造を終了 スペースシャトル・ディスカバリー号の2005年打ち上げを目指して、ニューオーリンズにある米航空宇宙局(NASA)のミショー組立工場で行なわれていた外部燃料タンクの改造作業が終了した。ET-120と呼ばれる外部燃料タンクは、バージ(荷船)でフロリダ州ケネディー宇宙センターまで運ばれ、今年5月に予定されている打上げに向けた準備が進められることになる。打上げ時および上昇時にオービターが損傷をうけるリスクを削減するため、ET-120燃料タンクには下記のような改善が施されている:
(NASA News Release, December 31, 2004)
1月6日号 手頃な価格の燃料電池開発を目的とする産官プロジェクト、出力密度のマイルストーン達成 エネルギー省(DOE)は、デルフィ社(Delphi Corp.)が燃料電池の出力密度試験で、DOEの目標とする平方センチあたり最低500ミリワットが技術的に可能であることを実証したと発表した。デルフィ社がバテル社 …オハイオ州コロンバスに本拠を置く科学技術会社… との協力で開発した試験用の固体電解質型燃料電池(SOFC)は、平方センチあたり575ミリワットの初期出力密度を記録したもので、これは、キロワットあたり400ドルという燃料電池コスト目標を実現するためにDOEが設定した出力密度要件を超えたことを意味する。デルフィ社とバテル社がSECA固体型エネルギー計画 (Solid State Energy Conversion Alliance)の下で行っている、総額1億3,500万ドル(コスト分担型)の10ヵ年プログラムでは、分散型発電装置および自動車用補助動力装置という2用途の為に、廉価で量産出来る5キロワット級SOFCを開発し実験することを目標としている。(DOE Press Release, January 3, 2005) チリの養豚業者AgroSuper社のメタンガス排出削減プロジェクト チリの養豚業者AgroSuper社が先頃、3,000万ドルをかけて、豚10万頭の排泄物からでるメタンガスを回収・利用する技術を設置し、その結果生じる認証排出削減量 (certified emission reduction = CER) クレジットを京都議定書のクリーン開発メカニズム (CDM) に基づき、日本やカナダの電力会社に売却する予定であると発表した。AgroSuper社、東京電力、および、カナダのTransAlta社の正確な取引条件は未だ発表されていないものの、これが国連の承認を得た場合、京都議定書の定める削減目標達成を狙ったこれまでで最大の取引の一つとなる。 AgroSuper社では、豚糞ピットにプラスチックのシートをかけてメタンガスを回収、その一部を発電に利用して、養豚場に電力を供給することになる。同社では、今回のメタンガス回収・利用技術への投資により、今後9年間は年間40万CERを取得できると推定しており、このCERを東京電力とTransAlta社に分割するという。カナダのTransAlta社は、今回の取引で、自社に義務づけられた排出削減量の10%を賄うことが出来ると見ている。欧州市場におけるメタンガスCERクレジットの価格は現在約10ドルであり、今後は更に上昇すると期待されている。 環境保護者達は、京都議定書が2005年に発効となったことで、大量の怪しげなCDMプロジェクトが国連の承認を受けるのではないかと懸念している。CDM Watchの創設者であるBen Pearson氏は、CDMクレジットを取引しても気候の為にはならないと批判し、気候変動の緩和は、家畜の排泄物処理といった「些細な」プロジェクトによってではなく、エネルギー生産・消費方法の根本的改革といった真の問題への対応によって達成されるのだと主張している。(Washington Post, January 2, 2005) オレゴン州の諮問委員会、温室効果ガス削減戦略を発表 オレゴン州の地球温暖化に関する諮問委員会が12月17日に行われた最終会合で、諮問委員会の最終提言を採択、『オレゴン州温室効果ガス削減戦略 (Oregon Strategy for Greenhouse Gas Reductions)』を発表した。同諮問委員会では、気候安定化に向けて積極的に動くと同時に個人や企業に十分な適応時間を与える、3つの大まかな削減目標を提案している:
報告書はまた、上記の目標を達成する為に下記の戦略を設定している:
諮問委員会では州知事に対し、55の政策提言と各提言の費用効果分析を提示している。主な政策提言は下記の通り:
諮問委員会の提言が採択されれば、オレゴン州はカリフォルニア州の自動車規制を取り入れる米国で8番目の州となる。これは、連邦政府主導の全国的な温室効果ガス削減戦略の策定がなくとも、州政府や地方の対応努力が今後も勢いを増しそうな兆候であるといえる。同報告書の全文はこちらで入手可能。 (Greenwire, December 22, 2004; Executive Summary of Oregon Strategy, December 17, 2004) 国立標準規格技術研究所、チップ大の磁気センサーの実証に成功 国立標準規格技術研究所(National Institute of Standards and Technology = NIST)が、サイズとコストの割に精度と感度が極めて高い、チップ大(米粒程)の磁気センサー(ミニチュア磁気探知機)を実証した。このセンサーは、2004年8月に完成したNISTのチップ大の原子時計と同じ原理によるもので、チップ大の時計同様、この磁気センサーもマイクロエレクトロニクスやマイクロマシン(MEMS)を製作する既存技術によって半導体ウェハーに組み込むことができるという。これは、センサーが廉価で量産可能なことを意味する。国防省の防衛先端研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency = DARPA)の助成によって研究開発されたセンサーに期待される商業用途には、以下が含まれる:
(NIST News Release, December 29, 2004) 共和党上院議員、クリアスカイ法案の可決を目指し、法案改定版を提出か 共和党上院議員等が、他の議員の支援を集めてクリアスカイ法案の速やかな可決を図るために、同法案の改訂版を提出する可能性があると報告されている。この改定法案には、以下の措置が含まれる可能性がある:
一方、Joe Barton下院エネルギー・商業委員会委員長(共和党、テキサス州)は、クリアスカイ法案が同委員会の中心課題にはならないことを確認しながらも、上院本会議でこの件で明らかな進展を見せれば、下院本会議にクリアスカイ法案を持ち出すことを検討するとも述べた。 (Environment and Energy Daily, January 5, 2005; Inside EPA, December 24, 2004)
1月5日号 アルゼンチン国営のEnarsa、水素燃料電池開発で陸軍およびAeropuertos Argentina 2000と協定締結 アルゼンチン政府によって2004年に創設されたばかりの国営エネルギー会社Enarsaが12月29日、陸軍およびAeropuertos Argentina 2000と、水素燃料電池の設計・開発・商用化に関する協定に調印した。同協定に基づき、Enarsaは、陸軍が開発した1ワット級プロトタイプ水素燃料電池を商用化する可能性について調査を行なうことになる。Enarsaがプロトタイプ水素燃料電池は1年以内に商用化可能であるという結論 に達した場合、Enarsaではこの商用販売を行なう権利をオプションとして有するほか、5ワット級燃料電池の開発、更には、民生・軍事用携帯装置の電源として15〜50ワット級の水素燃料電池の開発についても検討する意向であるという。 1ワット水素燃料電池の知的所有権は陸軍に帰属し、Aeropuertos Argentina 2000が28万(US)ドルというプロジェクト費用を負担することになる。(FuelCellToday.com, December 30, 2004) ニューヨーク州エネルギー研究開発局、州内の水素・燃料電池プロジェクトを助成 ニューヨーク州エネルギー研究開発局 (New York State Energy Research and Development Authority = NYSERDA) が、州内で行なわれる水素および燃料電池関係プロジェクトにグラントを給付すると発表した。プロジェクトの概要とグラント額は下記の通り:
(NYSERDA Press Release, December 20, 2004; The Buffalo News, December 28, 2004) 環境保護庁、政府所有電子機器のリサイクルを推進するコントラクトを締結 環境保護庁(EPA)が12月16日に、政府によって調達された古い電子機器の適切なリサイクルや処分を行なうため、電子機器リサイクリング・資産処理(Recycling Electronics and Asset Disposition = READ)サービスの下で、小企業8社に推定総額900万ドルのコントラクトを授与した。 全世界のコンピューターの7%を購入する米国政府では、毎週約1万台のコンピュータを処分しているが、電子機器には鉛や水銀やカドミウムといった有毒物質が含まれているため、その適切な管理と処分は米国政府にとって重要な課題となっている。EPAによると、同契約の目標は、倉庫に保管される電子機器の数量を大幅に減らし、不要機器や部品のリサイクルと再販を推進し、埋立地送りとなる電子機器の数量を削減することにあるという。 今回の契約期間は1年間であるが、有毒物質の安全なリサイクルや破棄、(ハードドライブに記録された)機密情報の完全破壊といった基準を満たした会社には1年間ごとの契約延長が最高4回まで認められることになる。今回契約を勝ち取った8企業は下記の通り:
(EPA News Brief, December 29, 2004; Gallon News Letter, December 22, 2004) カリフォルニア州で電子廃棄物リサイクル法が発効 カリフォルニア州の「2003年電子廃棄物リサイクル法 (Electronics Waste Recycling Act of 2003)」が2005年1月1日から発効となる。同法令は、4インチ以上のビデオディスプレイ付きの全ての新しい電子機器と整備済の(refurbished)中古機器に対して電子廃棄物リサイクル費(Electronics Waste Recycling Fee)を科すというもので、消費者はディスプレイの大きさ…対角線で測定…によって定められた6ドルから10ドルのリサイクル費を、小売店での購入時やリース時、または、通信販売やインターネット購入の段階で支払うことになる。 対象となる電子機器は、(1) テレビ;(2) 陰極線管(CRT)や液晶ディスプレーのコンピューターモニター;(3) ノート型コンピューター;(4) CRTを含む全製品であるが、(a) 未整備の中古機器;(b) 自動車の部品;(c) 産業・業務・医療用機器;(d) オーブンや大気清浄器といった家電製品はリサイクル費の対象外となるほか、州外へ販売される機器も対象外とされる。小売店が処理費の3%を受取り、残りはカリフォルニア州査定標準局(Board of Equalization)へ収められることになる。(Gallon News Letter, December 22, 2004)
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